ラージマウスバス(Largemouth Bass)の生態・外観・適水温・産卵・視覚・聴覚等【まとめ】

Largemouth Bass(ラージマウスバス)は、アメリカ原産の淡水魚で、北アメリカ全域に分布しています。


外観

成魚の体長は30cmから1m近くにもなり、体重は最大で10kg以上に達することもあります。体色は暗緑色や茶色で、側線に沿って黒い斑点があるのが特徴です。また、大きな口が特徴的で、この口は獲物を捕らえる際に大きな力を発揮します。


生息環境

湖沼や河川などの淡水域に生息します。岸辺に植生が豊富な浅瀬から、深い水深に至るまで広く分布しています。


最適水温

ラージマウスバスは、水温が20℃から30℃の範囲が最適とされています。この水温帯では、ラージマウスバスはより活発に活動し、餌の摂取量も増えます。ただし、水温が30℃を超えると、ラージマウスバスはストレスを感じ始め、繁殖能力や免疫力の低下が起こることがあります。


生存限界水温

ラージマウスバスは、水温が低い時期には冬眠状態に入りますが、水温が低すぎると生存が困難になります。一般的には、水温が10℃を下回ると、ラージマウスバスの成長が停止し、15℃を下回ると、生存が困難になるとされています。ただし、地域や個体によっては、より低温にも耐えられる場合があります。


最適な流速

一般的に、ラージマウスバスは流れの強い場所よりも穏やかな場所を好むため、急流や滝のある場所にはほとんど生息しないとされています。ただし、例外的に、急流や滝の近くに生息するラージマウスバスもいることが知られています。流速については、ラージマウスバスの好みや、生息する場所の環境によって異なるため、個体差があるとされています。


幼魚期

ラージマウスバスが幼魚の頃は、ほとんどの場合、流れの緩やかな場所で過ごします。川の河口付近や、湖の浅瀬、河川の支流などが代表的な生息場所です。流速は比較的緩やかな場所が好まれます。


成魚期

成魚になると、ラージマウスバスは水深が深くなる場所に移動し、流れの遅い場所で生活するようになります。深い水の中には、比較的穏やかな流れがあることが多いため、それに適応していると考えられています。ただし、時期によっては、流れのある場所に移動することもあります。


寿命

寿命は、環境条件や個体差によって異なります。野生下での寿命:野生下でのラージマウスバスの寿命は、平均して10年程度とされています。ただし、繁殖期や環境条件によっては、より短い寿命で成熟することもあります。養殖下では野生下よりも短くなることが多いとされています。餌の量や種類、水質などによって異なりますが、平均して5年程度と言われています。ラージマウスバスの寿命は、成長速度が遅く、成熟するまでに長い期間を要することが関係しています。また、繁殖期や冬期などの厳しい環境下での生存能力が高く、短い期間で多くの仔を産むことができるように適応しているとも考えられています。


水温と行動

水温が変化すると、ラージマウスバスの行動も変化します。例えば、水温が低いとラージマウスバスは動きが鈍くなり、餌の消化も遅くなる傾向があります。一方で、水温が高いとラージマウスバスはより活発に動き回り、より多くの餌を摂取するようになります。


移動距離

春や秋の気温が低い時期には、ラージマウスバスは日中は比較的深い場所にいることが多く、移動距離は1km以下とされています。しかし、朝晩など水温が上がった時には、比較的浅い場所に移動することがあり、その場合の移動距離は数百m程度となることがあります。夏に水温が高くなると、ラージマウスバスは水温が下がった深い場所に逃げることが多く、移動距離は1km以下となることが多い様です。冬に水温が低くなると、ラージマウスバスは動かないことが多く、移動距離は数十m以下になることがあります。


ノーザンラージマウスバス

ノーザンラージマウスバスの1日の移動距離は、水温、季節、食物供給、個体の大きさなどの要因によって変化するため、多様な報告があります。一般的には、1日あたりの移動距離は1〜5km程度と考えられています。
例えば、以下の論文によると、ミネソタ州の一部の湖で生息するノーザンラージマウスバスの平均移動距離は、約1.3kmでした。

論文
Diana M. Delgado, Peter C. Smouse, and Timothy E. Essington. 2016. Movement patterns and habitat use of largemouth bass in a Northern Minnesota lake. Transactions of the American Fisheries Society 145:314-325.


フロリダバス

フロリダバスの1日の移動距離に関する研究は限られていますが、以下の論文によると、フロリダ州の一部の湖で生息するフロリダバスの平均移動距離は、約0.8kmでした。

論文
Hoyer, M. V., Allen, M. S., & Canfield Jr, D. E. (1996). Movement and home range of largemouth bass in a Florida lake. Journal of Freshwater Ecology, 11(3), 239-248.


視覚


視力

ラージマウスバスの視力は、淡水魚の中でも非常に優れています。ラージマウスバスは、細かい模様や色合いを識別することができ、移動物体にも反応します。特に、水中の光の状態に敏感で、日中は明るい場所で、夜間は暗い場所でよく見えることが知られています。


色覚

ラージマウスバスは、3種類の錐体細胞を持っていることが知られています。これは、赤・緑・青の三原色に対応していると考えられています。したがって、ラージマウスバスは、色彩に対して非常に敏感であり、獲物の色や模様に反応することができます。


視野

ラージマウスバスの目は頭の上部にあり、左右に広がる視野を持っています。前方にはやや狭く、特に上下方向には狭い範囲しか見ることができません。しかし、水中の物体を追跡するためには十分な視野を持っており、高い捕食能力を発揮することができます。


餌(ベイト)

主に小魚、甲殻類、両生類、水生昆虫などを食べます。成長するにつれて、大型の獲物を捕食するようになります。


聴覚

ラージマウスバスの聴覚は、非常に敏感で、魚類の中でも特に優れたものとされています。ラージマウスバスは、水中の音や振動を感じることができ、獲物を探すために利用しています。具体的には、ラージマウスバスは、魚類やエビ、カエルなどの獲物が水中を泳ぐ際に発する音や振動を感知することができます。また、外部からの音や振動にも敏感で、釣り糸の振動やボートのエンジン音なども感じることができます。ラージマウスバスの耳は、頭部にあり、内耳と中耳で構成されています。内耳には、平衡感覚と聴覚を司る器官があり、聴覚は骨導と水中の音によって刺激を受けます。中耳は、鼓膜と三小骨(ハンマー、やじり骨、アブミ骨)で構成されており、骨導による音を内耳に伝えます。ラージマウスバスは、特に水中の低周波音に敏感で、周波数が20Hzから1kHzの音が最も聴覚に影響を与えるとされています。また、聴覚の優れた能力を利用して、コミュニケーションにも利用しています。獲物の警戒心を避けるために、ラージマウスバス同士が鳴き声を出し合って、場所や状況を伝え合うこともあります。一方、人間がラージマウスバスに近づくと、ラージマウスバスは音や振動を感じて警戒心を強めるため、釣りをする際には、静かに近づくことが大切とされています。


1日に食べる量

一般的に、ラージマウスバスは一日に体重の1~3%程度の食事を摂取することが推奨されています。つまり、体重が1kgのラージマウスバスの場合、一日に10~30g程度のエサを与えることが望ましいとされています。ただし、これはあくまでも目安であり、個体差や環境条件によって異なる場合があります。ラージマウスバスは夜行性の魚であるため、夜間に餌を与えることも有効です。夜間に餌を与えることで、魚の本来の生態に合った摂食行動を促すことができ、健康的な成長につながることがあります。


ノーザンラージマウスバス

ノーザンラージマウスバスの餌の摂取量は、個体の大きさによって大きく異なります。成魚の1日あたりの摂取量は、一般に体重の1〜2%程度と考えられています。例えば、以下の研究によると、バージニア州の一部の湖で生息する成熟したノーザンラージマウスバスの1日あたりの平均摂取量は、体重の1.6%でした。

論文
Al-Jufaili, S. A., & Crumpton, W. G. (2002). Feeding ecology of largemouth bass, Micropterus salmoides, in an oligotrophic reservoir in Virginia. Environmental biology of fishes, 63(1), 73-83.


フロリダバス

フロリダバスの1日あたりの餌の摂取量は、個体の大きさによって大きく異なります。成魚の1日あたりの平均摂取量は、一般に体重の1〜2%程度と考えられています。例えば、以下の研究によると、フロリダ州の一部の湖で生息する成熟したフロリダバスの1日あたりの平均摂取量は、体重の1.2%でした。


捕食する時間

はい、ラージマウスバスが捕食する時間に関する論文のデータはいくつかあります。以下にその一例を示します。


フロリダバス

フロリダ州の湖で行われた研究によると、フロリダバスは通常、日の出から日没まで餌を求める傾向があります。また、夕方と夜にも餌を探すことが多く、特に夜間に活動することが多いと報告されています。

論文
Mittelbach, G. G., Osenberg, C. W., & Wainwright, T. C. (1992). Variation in feeding behavior and morphology in two sunfishes (Centrarchidae) with different foraging strategies. Oecologia, 92(1), 8-14.


ノーザンラージマウスバス

一般的に、ノーザンラージマウスバスは日中に活動することが多く、夜間は静止していることが多いとされています。しかし、餌の状況や気温などの条件によって、夜間にも餌を探すことがあります。

論文
Hassan, H. M. (2016). Diel patterns of fish diversity and abundance in an Ohio reservoir. The Ohio Journal of Science, 116(3), 34-41.

これらのデータは、一般的な動向を示しているものであり、場所や季節、個体の大きさや性別などの要因によって変動する可能性があります。


産卵

春から夏にかけて繁殖期を迎え、オスがメスを追いかけて産卵場所に誘導します。水草や枝などに産卵を行い、卵は約1週間ほどで孵化します。卵の数は、メスの体サイズによって異なりますが、一般的には1000~20000個程度とされています。大型のメスは、より多くの卵を産卵することができます。また、卵の大きさもメスの体サイズに比例して大きくなります。水温が20℃~25℃程度の春から初夏にかけてで、水草の茂る浅い場所や河川の沿岸部など、保護された場所に産卵します。卵は水草や砂利などに付着し、約1週間で孵化します。孵化した稚魚は、プランクトンなどの小型生物を摂取し、成長していきます。ラージマウスバスの産卵は、繁殖期における重要な行動であり、種の維持にとって不可欠な要素の一つです。しかし、過剰な漁獲や水質汚染などの影響によって、産卵行動に影響が出ることがあります。したがって、ラージマウスバスの繁殖期には、保護や管理が必要とされます。


行動

夜行性で、日中は水中の陰に隠れたり、水深の深い場所に潜んだりします。天候や気温の変化に敏感で、気圧が低い時や曇りの日には活性が高くなります。


ラージマウスバスの生態に関する論文


Largemouth Bass Biology and Life History” by Steven J. Cooke, David P. Philipp, and Mark A. Enders

Steven J. Cooke, David P. Philipp, and Mark A. Endersによる「Largemouth Bass Biology and Life History」は、ラージマウスバスの生態、生態学的役割、個体群動態、繁殖生態、成長、および行動に関する包括的なレビュー論文です。この論文では、ラージマウスバスが生息する環境や食性、繁殖行動、成長過程、そして漁業管理上の課題などについて詳しく説明されています。例えば、ラージマウスバスは適切な生息環境が必要であり、水温や水質、餌の豊富さなどが生息に影響を与えます。また、繁殖期にはオスがメスを誘引するために音や動きを使い、卵や稚魚の成長にも環境条件が重要であることが指摘されています。さらに、ラージマウスバスは漁業管理上重要な種であるため、漁獲制限や放流活動などの漁業管理の戦略についても議論されています。この論文は、ラージマウスバスの生態学的理解を深めるために役立つだけでなく、その管理上の重要性を示すものでもあります。“Habitat Use by Largemouth Bass in a North-Central Florida Lake” by Alan J. Reckhow and James D. Schmitz. この論文は、フロリダ州北部の湖でのラージマウスバスの生息地利用に関する研究です。研究により、ラージマウスバスは水深、水温、水質、植生、底質などの条件によって生息地を選択することが明らかになりました。


Effects of Season and Water Temperature on Largemouth Bass Movement in a Southern Reservoir” by Patrick H. O’Rouke, Jr. and Thomas J. Kwak.

Patrick H. O’Rouke, Jr.とThomas J. Kwakによる「Effects of Season and Water Temperature on Largemouth Bass Movement in a Southern Reservoir」は、南部の貯水池においてラージマウスバスの移動に季節と水温が与える影響を調査した研究論文です。研究により、ラージマウスバスは水温が上昇すると、より深い水深に移動する傾向があることが明らかになりました。また、春には浅い水深に移動し、秋にはより深い水深に移動することも観察されました。これらの移動パターンは、水温と季節によって説明できると考えられています。この研究は、ラージマウスバスの移動パターンが水温や季節によって異なることを明らかにし、貯水池の水温管理やラージマウスバスの漁業管理において重要な情報を提供するものとなっています。


Diet and Feeding Behavior of Largemouth Bass in Relation to Shallow Water Habitat Complexity” by Michael J. Maceina and Stephen J. Sammons.

Michael J. MaceinaとStephen J. Sammonsによる「Diet and Feeding Behavior of Largemouth Bass in Relation to Shallow Water Habitat Complexity」は、浅い水深における環境の複雑さがラージマウスバスの食性や摂餌行動に与える影響を調査した研究論文です。研究により、ラージマウスバスは浅い水深で生息する際に、環境の複雑さによって食性が変化することがわかりました。より複雑な環境では、ラージマウスバスはより多様な餌を摂取する傾向があります。一方、単純な環境では、ラージマウスバスはより特定の餌を好んで摂取する傾向があります。また、研究により、複雑な環境においてラージマウスバスはより活発に餌を探し回ることがわかりました。これに対し、単純な環境ではラージマウスバスはより静止し、待ち伏せ的な摂餌行動をする傾向があります。この研究は、ラージマウスバスが生息する環境の複雑さが餌の種類や摂餌行動に影響を与えることを示しており、環境の複雑さが減少した水域においてラージマウスバスの個体群が減少する可能性があることを示唆しています。




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まとめ

ラージマウスバスは、釣り人からも人気が高く、スポーツフィッシングの対象魚の一つとしても知られています。しかし、野生化した外来種としての問題もあり、生態系への影響が懸念されています。